2020年11月18日更新
Windows10にFFmpegをダウンロード・インストールする手順と使い方を解説!
FFmpegはコマンドラインで利用できる最強の動画編集ソフトだと言われていますが、Windows10でも利用できます。この記事では、FFmpegをWindows10にダウンロードしてインストールする方法と、実際に動画編集する使い方を解説します。
目次
WindowsでもFFmpegで動画編集に挑戦してみよう!
動画の編集ソフトはいろいろとあります。しかし、PCの環境によっては使えないソフトがあったり、ソフトの種類によっては対応していない動画形式が多いものもあります。使いやすい動画編集ソフトになればなるほど、対応できる動画形式が少なくなっていく傾向にあるようです。
幅広い形式の動画に対応したいのであれば、FFmpegを利用することをおすすめします。FFmpegはLinuxしか対応していないと思っている方もいるようですが、実はWindows10でも利用できます。この記事では、FFmpegとはどのようなソフトで、どのような使い方をすればいいのか詳しく解説します。
FFmpegとは?
FFmpegは「エフエフエムペグ」と読みます。いったいどのようなソフトなのか解説します。
動画と音声の編集ができるフリーソフト
FFmpegは動画と音声の編集ができるフリーソフトです。
コマンドラインから使用する
FFmpegの最大の特徴は、コマンドラインから利用する動画編集ソフトだということです。多くの動画編集ソフトは、動画を実際に表示して確認しながら編集を行うものがほとんどです。しかし、PCのGUIが動画編集ソフトに対応していなければ、利用できないものもあります。
FFmpegはコマンドラインから利用できるので、GUIを必要としません。PCの環境によらず、どのような動画や音声のファイルでも編集ができるということで、世界中で多くの方が利用しています。
対応コーデックやオプションが幅広いことが最大のメリット!
FFmpegの最大のメリットは、対応しているコーデックやオプションが幅広いことです。動画編集ソフトの中にも、幅広い形式に対応しているものもあります。しかし、全ての動画形式に対応できている動画編集ソフトはありません。
FFmpegはコマンドラインだけで動作できるので、他の動画編集ソフトよりも対応できるファイル形式の幅が広い点が特徴です。他の動画編集ソフトでは対応しきれないようなファイル形式でも、FFmpegならほぼ確実に編集できるということで人気があります。
WindowsにFFmpegをインストールする方法
Windows10にFFmpegをインストールして使えるように設定する方法を解説します。
手順1・FFmpegをダウンロードする
まずはFFmpegをWindows10にダウンロードしましょう。
上記のFFmpegの公式サイトへアクセスして「Download」をクリックします。
次のページの「Get packages & executable files」からWindows版をクリックします。
上記の画像の赤枠で囲った方のリンクをクリックします。
「release」の「Links」の一番上のリンクをクリックします。するとZipファイルをダウンロードできます。
手順2・zipファイルを解凍して保存する
次に、ダウンロードしたZipファイルを解凍して保存します。ダウンロードしたファイルをダブルクリックします。すると解凍できます。
解凍して展開したフォルダをCドライブの直下に移動します。
手順3・環境変数にパスを通す
ダウンロードしたFFmpegをWindowsで使えるようにインストールするために、環境変数にパスを通します。
エクスプローラーで「PC」を右クリックして「プロパティ」を開きます。
「システム」が表示されます。左ペインから「システムの詳細設定」をクリックします。
「詳細設定」のタブを開いて、「環境変数」をクリックします。
「Path」をクリックして選択したら「編集」をクリックします。
Pathの編集画面で「新規」をクリックして、Cドライブの直下に配置したFFmpegの「bin」のフォルダまでのパスを入力します。今回は次のように入力しました。
「C:\ffmpeg-4.3.1-2020-10-28-full_build\bin」
「ffmpeg-4.3.1-2020-10-28-full_build」の部分はダウンロードしてインストールしたFFmpegのバージョンによって変わります。インストールしたFFmpegのフォルダ名を入力するといいでしょう。
パスを入力したら、「OK」をクリックします。戻った画面でも「OK」をクリックしましょう。これで環境変数の設定が完了して、ダウンロードしたFFmpegがインストールされたはずです。
手順4・FFmpegが使えるか確認する
FFmpegが無事にインストールされているか確認しましょう。Windows10でコマンドプロンプトもしくはPowerShellを起動します。
コマンドプロンプトは、Windows10のスタートボタンをクリックして、「Windowsシステムツール」開けます。PowerShellはWindows10のスタートボタンを右クリックすると開きます。「管理者」ではない方を開きましょう。
コマンドプロンプトもしくはPowerShellを開いたら、「FFmpeg」と入力します。無事にFFmpegのインストールができていたら、上記の画像の様にFFmpegが起動して展開します。もしも何らかのエラーが表示されるようなら、ダウンロードやインストールの手順に何か不具合が生じています。もう一度手順を確認しましょう。
WindowsでのFFmpegの使い方
次にFFmpegのWindows10での使い方を解説します。
FFmpegの起動はコマンドプロンプトから
FFmpegのWindowsでの使い方では、コマンドプロンプトで起動します。コマンドプロンプトを起動したら、「FFmpeg」と入力してEnterキーを押します。するとFFmpegが起動します。特にコマンドを入力しなければ、ヘルプが表示されるだけで終了します。
動画や音声のファイル形式を変換する方法
FFmpegを使って、動画や音声のファイル形式を変換する使い方は、次のコマンドを入力します。
「ffmpeg -i 変換元ファイルパス -b:v ビットレート[数値] -bufsize バッファサイズ[数値] 出力ファイルパス」
ビットレートとバッファサイズは省略できます。ただファイル形式を変換したいだけなら、変換元のファイルパスと、出力後のファイルパスを入力するだけで変換できます。
例えば「test.aiv」というaiv形式の動画をmp4形式に変換したい場合には次のように入力します。
「ffmpeg -i test.avi test.mp4」
動画の解像度を変更する方法
動画の解像度を変更する使い方もFFmpegを使えば一発でできます。解像度の変換は「-vf」オプションのscaleプロパティの指定で行います。
「-vf "scale=幅(px):高さ(px),pad=幅(px):高さ(px):0:0:black"」
例えばtest.mp4の動画ファイルの解像度をフルHD(1920×1080ピクセル)に変更したい場合には、次のようにコマンドを入力します。
「ffmpeg -i test.mp4 -vf "scale=1920:1080,pad=1920:1080:0:0:black" test1.mp4」
FFmpegを使う上で覚えておきた必須コマンド一覧
FFmpegはコマンドで動画や音声ファイルの編集ができます。FFmpegの使い方で覚えておきたいコマンドは次の通りです。
コマンド | 内容 |
-i(必須) | 変換元ファイル名(必ず入力する) |
-vf | エフェクト(解像度等)指定 |
-c:v | 動画コーデックの指定 |
-q:v | jpeg画像の品質の指定 |
-ss | 編集する動画の開始位置の指定 |
-t | 動画を静止画へ変換するときの位置の時間の指定 |
-f | 変換フォーマットの指定 |
-r | フレームレートの指定 |
WindowsでFFmpegを使ってみよう!
この記事ではFFmpegとはどのようなソフトで、どのような使い方をすればいいのか解説しました。FFmpegはコマンドラインで使うということで、コマンドを使ったことがない方にとっては、かなりハードルが高いソフトのようにも感じます。
しかし、コマンドの使い方に慣れてしまえば、どのようなファイル形式の動画や音楽のファイルにも対応できるということで、これ以上の動画編集ソフトはないという声もあります。他の動画編集ソフトでは対応できないファイルを扱いたいと言うは、ぜひWindows10でもFFmpegを使ってみましょう。