2019年10月16日更新
MacTeXのダウンロード/インストール方法まとめ!日本語化設定も解説!
今回はMacTeXのダウンロード及びインストール方法についてご説明していきます。また、MacTeXの日本語化の設定についてもご説明していますので、是非、この記事を参考にMacTeXをインストールして利用してみてください。
目次
MacTeXとは?
MacTeXとはTeX LiveをベースとしたmacOS専用のTeXディストリビューションです。ディストリビューションは流通や分布といった意味を持ち、パソコンの世界では配布形態のことを指します。
TeXソフトを使うためのファイル一式
組版処理ソフトである TeX を利用するために標準的なファイルを一式まとめたmacOS専用のものをMacTeXと呼びます。macOSには必要のないファイルも一部含まれていますが、全てインストールされていることで互換性を保証しています。
MacTeXのファイルの中身
MacTeXのパッケージに含まれているファイルの中身についてご紹介していきます。
ファイル | 説明 |
TeX Live | TeX Liveの内容物の全てが含まれています。 macOSには必要のないファイルも含まれていますが、 全てインストールされている事で互換性を保証しています。 また、各種ガイドブックの手順通りに実行できるためとも言われている。 |
BibDesk | 引用を管理するソフトウェアです。 BIBTeXも参照しています。 |
LaTeXiT | 数式エディターソフトです。 単体の数式をLaTeXで作成し、他のソフトウェアに コピー&ペーストで使うことを想定して用意されています。 |
TeXShop | macOS用のTeX統合開発環境です。 |
TeXworks | TeXドキュメントの作成を目的とした統合開発環境です。 TeXの編集に特化しているエディターとTeXをPDFで出力する プレビュー機能があります。初期の文字コードはUTF-8で処理されます。 |
Excalibur | 英単語をチェックしてくれるスペルチェッカーソフトです。 間違ったスペルを自動で探して、修正候補を表示してくれます。 |
Ghostscript | ページ記述言語のインタプリタです。 PostScript/PDFファイルを読込んで、画面やプリンタといった 様々な形式のファイルを出力する事が出来ます。 |
ImageMagickの convert用ユーティリティ |
様々なフォーマットのデジタル画像の変換が出来るソフトです。 |
Latin Modern TeX Gyre フォント |
TeX Live本体にも含まれているソフトですが、MacTeXによって 他のMacアプリケーションにも利用できるようになります。 |
MacTeXのダウンロード手順
2019年5月にTeX Live 2019がリリースされました。このリリースによって新元号の「令和」にも対応されたバージョンとなっています。このTeX Live 2019と同時にmacOS用のディストリビューションであるMac TeX 2019もリリースされました。
今回はMac TeX 2019のダウンロード及びインストール手順についてご説明していきます。MacTeX 2019をインストールするためには、macOS 10.12 Sierra以上のOSが必要となりますので、注意してください。
MacTeX 2018以前の旧バージョンがインストールされている場合は、ディスク容量の圧迫など気にならないのであれば、旧バージョンを削除しなくてもインストールする事が出来ます。ただし、最新バージョンを入れると基本的には旧バージョンを使わないので削除しておくことをおすすめします。
公式サイトから最新のMacTeXをダウンロードする
ここでは公式サイトから最新のMacTeXをダウンロードする方法をご説明していきます。公式サイトからのダウンロード手順をご説明しますが、MacTeX 2019のファイルサイズは3.5GBと非常に大きなファイルである為、ダウンロードする際は、公式サイトからダウンロードするよりも、ミラーサイトからダウンロードする事をお勧めします。
まずはMacTeX公式サイトへアクセスしてください。『MacTeX Download.』が青文字で表示されているので、クリックしてください。
Downloading MacTeX 2019の画面が開くと、目立つ所に『MacTeX.pkg』がありますが、こちらではなく文章中にある『http://tug.org/~koch/MacTeX-2019.pkg.』をクリックしてください。
クリックすると、ダウンロードが開始されます。非常に大きなファイルとなりますので、ダウンロードには時間が掛かるので注意してください。
ミラーサイトから最新のMacTeXをダウンロードする
次にミラーサイトから最新のMacTeXをダウンロードする方法をご説明していきます。ダウンロードする際にはこちらのミラーサイトからMacTeXをダウンロードすることをお勧めします。
『ミラーサイト(MacTeX)』の中の『HTTP』の一覧からサイトを選択して下さい。今回は例として一番上に置かれているサイトを選択します。
上記のような画面が表示されるので一覧の中から『mactex-20190508.pkg』をクリックして下さい。クリックすると、ダウンロードが開始されます。
MacTeXのインストール手順
公式サイトもしくはミラーサイトからダウンロードが完了したら、次にMacTeXのインストール手順をご説明していきます。
MacTeX 2019を使うために必要なmacOS
最新のMacTeX 2019をインストールするためには、macOS 10.12 Sierra以上のOSが必要が必要となります。それ以前のmacOSである場合には、macOSをバージョンアップする必要があります。
また、MacTeX 2018以前の旧バージョンがインストールされている場合でも、旧バージョンを削除せずMacTeX 2019をインストールしても問題はありません。但し、旧バージョンのMacTeXの容量は使っているので、ディスク容量が圧迫していたり、ディスク容量を気にするようであれば旧バージョンのMacTeXは削除することをお勧めします。
インストール手順
『mactex-20190508.pkg』のダウンロードが終われば、ダウンロードされたファイルをダブルクリックしてファイルを実行してください。ファイルを実行するとMacTeX 2019のインストーラーが起動します。
MacTeX 2019のインストールは案内に沿って進めると簡単にインストールをすることが出来ます。
MacTeXの日本語化設定方法
MacTeXをインストールするとTeX統合開発環境であるTeXShopが標準でインストールされます。しかし、日本語化設定はされていないので、日本語環境下でTeXShopを利用するための手順をご説明していきます。
TeXShopを更新する
日本語化設定するために、まずはTeXShopを最新のバージョンに更新します。TeXShopは頻繁に更新が行われるため、TeXShopをインストールしてから日が浅くても新しいTeXShopがリリースされている可能性があります。そのため、まずは最新版にアップデートするようにしましょう。
/Applications/TeX/TeXShop.app |
TeXShopは上記のパスにインストールされています。まずはTeXShopを起動してください。TeXShopを起動したら、メニューから『アップデート確認...』を選択して最新版へ更新してください。
もし、TeXShopの自動アップデートが失敗するのであれば、TeXShopの公式サイトから最新版のTeXShopを新たにダウンロードして、最新の『/Applications/TeX/TeXShop.app』に置き換えて下さい。
TeXShopで日本語化設定する
TeXShopを最新版へのアップデートが終われば、次に実際にTeXShopの日本語化設定を行っていきます。まずは、TeXShopを起動してください。TeXShopを起動したら、メニューから『環境設定...』を選択してください。
上記の様なTeXShopの環境設定画面が表示されます。左下に配置されている『設定プロファイル』からプロファイルの種類を選択します。
Unicodeを使うことが出来るupLaTeXを使用する場合には「upTeX(ptex2pdf)」を選択して下さい。銃リアのpLaTeXを使用する場合には「pTeX(ptex2pdf)」のプロファイルを選択して下さい。LaTeXを新しく始める方であれば無難にupLaTeXを設定することをお勧めします。日本語化の設定は以上になります。
設定変更が終了したら、OKボタンで環境設定画面を閉じて、『Command + Q』でTeXShopを終了させてください。TeXShopの設定の一部に、次回起動時に反映される項目もあります。TeXShopで設定変更をした場合には、一度、TeXShopを再起動して利用するようにすると確実です。
日本語化以外の推奨設定
TeXShopを一度終了させたら、ターミナルから次のコマンドを実行しておくことをお勧めします。
defaults write TeXShop FixLineNumberScroll NO |
defaults write TeXShop SourceScrollElasticity NO |
defaults write TeXShop FixPreviewBlur YES |
1行目は古いmacOSであった行番号がスクロールしないOS側の不具合に対処するための措置です。現在のmacOSではこの不具合は解消されているので、現在ではこの措置を行う必要はなくなりました。
2行目はスクロール時に大きく跳ね返るような動きをするバウンスエフェクトを止めるための措置です。OS X 10.10 Yosemite以降のOSでは、この現象がさらに大きくなり、以前より動きが目立つようになりました。ですので、この措置を入れて動きを止めるようにしておいた方が快適に利用できます。
3行目はプレビューウインドウのPDFがぼけて見えるのを防止するための措置です。この現象は、OS X 10.10 Yosemite以降のバージョンで発生していますので、この措置を入れておくようにしましょう。
MacTeXの使い方
ここからは実際にMacTeXソフトの使い方をご説明していきます。MacTeXソフトは文章をコンパイルして、PDFで表示する事が出来ます。
TeXShopを起動する
まずは、文章を作成するためにTeXShopを起動します。
/Applications/TeX/TeXShop.app |
MacTeXソフトをインストールすると上記の場所にTeXShopがインストールされているのでアプリを起動してください。
文章を作成する
TeXShopを起動すると、以下のようなテキストエディタ―が表示されます。
テキストエディターが表示されたら、
\documentclass{article} \begin{document} Hello, \TeX! \end{document} |
と入力してみてください。
\documentclass{article} \begin{document} \end{document} |
この先頭が「documentclass」、「begin」、「end」で始まる3行については定型文のようなものですので、新しく文章を作成する際にはまずはこの3行を入力しましょう。
PDFで表示される文章は先頭が「begin」、「end」で始まる行の中にあるものが表示されるようになります。文章を追加する場合にはこの二つの行の間に追加するようにしましょう。
PDFで出力する
文章の作成が終われば、次はテキストエディターの左上に配置されている『タイプセット』を選択してください。
任意の分かりやすい名前を付けて、「保存」をクリックしてください。クリックするとTeXのコンパイルが始まります。
無事、コンパイルが成功すると上記画像のようにPDFが表示されます。MacTeXソフトでのTeX文章の作成方法は以上になります。
MacTeXをインストールして使ってみよう!
今回はMacTeXのダウンロード及びインストール方法についてご説明してきました。MacTeX 2019をインストールする場合にはmacOS 10.12 Sierra以上のOSが必要である事に注意してください。また、MacTeXの日本語化設定方法についてもご説明してきました。簡単に日本語化設定ができるので、是非、設定して利用してください。
MacTeXをうまく活用すると数式など通常のWordで作成するよりもきれいな文章を作成する事ができるので、是非、MacTeXをインストールしてみて利用してみてください。