iPadをMacのサブディスプレイにできるSidecarの使い方について解説します。iPadをサブディスプレイにすることによって、iPadとMacの利用方法が進化します。Sidecarは今年の秋にリリースが予定されている最新macOSに搭載される予定です。
これまで、iPadをMacのサブディスプレイとして利用する方法は数多く紹介されてきましたが、全てサードパーティー(第三者サービス)による専用アプリ・デバイスの提供であったり、既存システムの応用・工夫であったりしました。
しかし、このたび、iPadをMacのサブディスプレイ化できるツールをAppleが正式に発表しました。ツール名は「Sidecar」といいます。
「Sidecar」は、最新macOSの標準機能としてデビューします。ツールを提供しているApple側のイメージは、Macをオペレーションサイドとして、iPadを液晶タブレット(ペンタブレット)として利用するようなコラボイメージを想定しています。
Mac側をキーボードで、iPadをApple Pencilで操作するという使い分けができると仕事効率がアップするという新しいワークスタイルの提案です。
2019年6月、Appleより「最新macOSを2019年9月にリリースする」ことが発表されました。最新macOSの名称は「Catalina(カタリナ)」といいます。「Catalina(カタリナ)」では、いくつかのシステム変更と新機能が搭載されることが発表されていますが、その一環の新機能としてサービス提供されるのが「Sidecar」です。
「Catalina(カタリナ)」では、MacとiPadの連携強化が1つのテーマとなっています。iPadのアプリがMacへ容易に移植できるようになり、コンテンツの移動もドラッグ&ドロップで簡単に行えるようになります。
iPadのアプリがMacの大画面で利用できるようになることで、MacとiPadのお互いの利用価値を高め、合わせてアプリの需要も高める相乗効果を期待したプロモーションと考えられます。
「Catalina(カタリナ)」では、iPhone・iPad・iPodなどのAppleスマートデバイスとの同期機能が大きく打ち出され、MacとこれらAppleスマートデバイスとの同期管理はmacOSの標準ファイラー「Finder」で行うことになります。
また、長年、Appleデバイスの音楽・映像コンテンツの窓口として利用されてきた「iTunes」が廃止され、「ミュージックアプリ・Apple TVアプリ・Apple Podcastsアプリ」の3つの目的別アプリに機能が分割・継承されます。
iOS 12よりAppleスマートデバイス(iPhone・iPadなど)に導入されている「スクリーンタイム」が「Catalina(カタリナ)」にも取り入れられます。
「スクリーンタイム」は、デバイス全体のパフォーマンス・バッテリー消費の状況・機能制限などを管理します。各アプリの利用時間の把握や、不要機能のオフ設定によるバッテリー節約などに活用できます。また、未成年が使用するデバイスに利用可能機能の制限を加えることもできます。
「Catalina(カタリナ)」の標準機能「Sidecar」を使用してiPadをサブディスプレイ化することで、「MacとiPadのコラボ操作」という、いままでにないカスタムオペレーションが生まれることになりました。
MacとiPadで同じコンテンツを表示させて、複数のユーザーでコンテンツ体験を共有するという使い方はもちろん可能です。
それに加えて、Mac側で閲覧していたPDFをiPad側に移してApple Pencilを使って手書きでメモ・作図を加えたり、iPadで作成したイラストをMac側に移してドキュメント(文書)ファイルに挿入したりできるので、整理されたワークフローが可能になります。
Mac側で取り扱いにくい文書・画像・PDFファイルを、iPad側に移してジェスチャー(指動作)による拡大・縮小・スワイプで操作したら、簡単に取り扱えたという使い分けもできるでしょう。
次に、「Sidecar」の「iPadをサブディスプレイ化する機能」を利用できる、iPad・Macのそれぞれの対応機種についてレビューします。
「Catalina(カタリナ)」や「Sidecar」のリリースに伴い、iPadのOSもこれまでのiOSから独立したiPadOSに切り替わることが発表されました。iPadOSはiOSの構造を基本としながらも、iPadの大画面パフォーマンスをより機能的に活用・管理する方向で進化していく予定です。
「Sidecar」へのiPad対応機種の条件は、このiPadOSの対応機種ということになります。iPadOSの対応機種は、iPad Proの全モデル・iPadの第5世代以降・iPad mini 4以降・iPad Air 2以降となりますが、詳細な機種を挙げると以下になります。
次に、Mac側の対応機種ですが、「Catalina(カタリナ)」正式リリース前の現時点(2019年9月)では、以下の6機種に限定されるという情報が有力ですが、「Catalina(カタリナ)」正式リリース時に多少調整が入る可能性があります。いずれにしても、「Catalina(カタリナ)」をインストールしていることが大前提になります。
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