CrystalDiskInfoというソフトを使えば、HDD・SSDの健康状態を簡単に診断することが出来ます。セクタ数や生の値など見慣れない用語が並んでいて見方が分からないという方のために、CrystalDiskInfoの使い方や各診断値の見方等をまとめました。
パソコンを一日でも長く安全に使用するためには、ハードウェアに異常が無いかチェックする作業が不可欠です。特にHDDはPCのパーツの中でも突出して故障しやすい部位であり、注意が必要です。
しかし、HDD・SSDの状態を正確に把握するのは容易ではありません。WindowsにはHDD・SSDの健康状態を正確に診断できる機能が備わっていない上に、パソコンのケースを開けても見た目ではなかなか判断できないからです。
そういう時に役立つのが、「CrystalDiskInfo」というフリーソフトです。CrystalDiskInfoをパソコンにインストールすれば、PCにセットされているHDD・SSDの健康状態を簡単に診断することが出来ます。
CrystalDiskInfoは、ひよひよ氏によって開発・提供されているHDD・SSD診断用ユーティリティーソフトです。HDD・SSDのS.M.A.R.T.情報を解析し、記憶装置の故障の可能性を無料で診断することが出来ます。
ちなみにS.M.A.R.T.とは「Self-Monitoring Analysis and Reporting Technology」の略で、早期の故障発見・予測を目的としてHDD・SSDに搭載されている自己診断機能のことです。
S.M.A.R.T.にはHDD・SSDの電源投入回数や読み込みエラー発生回数などが記録されており、HDD・SSDの内部の状態を正確に把握することが出来ます。
残念ながら、WindowsにはS.M.A.R.T.の情報を閲覧する機能が標準搭載されていません。したがって、CrystalDiskInfoのようなS.M.A.R.T.情報を参照できる専用ソフトが大変重宝します。
CrystalDiskInfoは、PATA(パラレルATA)・SATA(シリアルATA)接続の内蔵HDD・SSDだけでなく、eSATA・USB接続の外付けHDDの健康診断にも対応しています。外付けHDDの故障の有無を確認してからデータを保存できるため、バックアップをとる時に便利です。
CrystalDiskInfoには、「通常版」・「Shizuku Edition」・「Kurei Kei Edition」の3種類のバージョンがあります。と言ってもソフトのレイアウトが若干異なるだけで、HDD・SSDの健康状態診断に関する基本的な機能は全て同じです。どのバージョンを選んでも結果に違いはありません。
ちなみに、CrystalDiskInfoの各バージョンの違いをまとめると、以下の表のようになります。
バージョン | 特徴 | 声優によるサポート音声 |
---|---|---|
通常版 | 最もシンプルなインターフェイスのCrystalDiskInfo。 | 無し |
Shizuku Edition | 和服美少女の水晶 雫(イラスト:桐野霞さん)がナビゲーション役を務めてくれるCrystalDiskInfo。 「Ultimate」版をダウンロードすると、様々なデザインの水晶 雫画像を鑑賞できる。 |
|
Kurei Kei Edition | プログラミング生放送コミュニティのマスコットキャラクター・暮井 慧(イラスト:Ixyさん)がナビゲーション役を務めてくれるCrystalDiskInfo。 「Ultimate」版をダウンロードすると、様々なデザインの暮井 慧画像を鑑賞できる。 |
CV:上坂すみれさん |
また、各々のバージョンには「ポータブル版(zip)」と「インストーラー版(exe)」があり、使用前のインストールの有無が異なります。両者には以下の表のような違いがあるので、自分の用途に合ったものを選択してください。
ポータブル版 (インストールは不要) |
インストーラー版 (インストールが必要) |
|
---|---|---|
メリット | ソフトをインストールする必要がないので、USBメモリなどの外付けドライブで持ち運びできる | アップデートが簡単(最新版のインストーラを起動するだけ) |
デメリット |
|
|
ここでは、通常版のポータブル版の導入手順を解説していきます。
CrystalDiskInfoのダウンロードページに移動したら、「通常版」の「zip」アイコンをクリックしてください。zipファイルを任意のフォルダに保存しましょう。
保存したzipファイルを解凍してください。Windows 10に標準搭載されている「圧縮フォルダーツール」の「すべて展開」をクリックするか、WinRARや7-Zipなどのファイル圧縮・解凍ソフトを利用しても構いません。
解凍したフォルダを開いてください。自分のパソコンが32bitなら「DiskInfo32.exe」を、64bitなら「DiskInfo64.exe」をダブルクリックしましょう。
もしも自分のパソコンが32ビットか64ビットか分からない時は、以下の方法で確認してください。
通常版のCrystalDiskInfoが起動します。
なお、アップデート時には最新版のポータブル版の全ファイルを旧バージョンが保存されているフォルダに上書きコピーしてください。その際、CrystalDiskInfoが起動したままだと上書きコピーが出来ません。ソフトが起動中の場合は、アップデート前に終了しましょう。各種設定やログファイルはそのまま引き継がれます。
アンインストール作業は特に必要ありませんが、スタートアップ機能やイベントログ機能を有効にしている場合は解除し、ソフトを保存してあるフォルダごと削除すればOKです。
ここでは、通常版のインストーラー版の導入手順を解説していきます。
CrystalDiskInfoのダウンロードページに移動したら、「通常版」の「exe」アイコンをクリックしてください。exeファイルを任意のフォルダに保存しましょう。
「CrystalDiskInfo×××(バージョン).exe」をダブルクリックしてください。
インストールウィザードが立ち上がります。CrystalDiskInfoの使用許諾契約書に目を通し、「同意する」をオンにして「次へ」をクリックしてください。
1 / 4
続きを読む