Androidのネットアクセスでプライバシーを守るには、VPNが欠かせません。本記事では、自分の情報を守ったり、位置情報を隠ぺいしたりしてネットワークにアクセスできるVPNを、Androidで無料利用する方法や設定方法、VPNのメリットなどをお教えします。
スマホやPCでインターネットを利用していると、Webサイトなどへの接続時に、アクセス元の国やIPアドレス、利用しているスマホやPCの機種やブラウザなどの情報が相手に伝わります。それだけでなく、スマホやPCに残されるCookie(クッキー)を使うことで、どんなサイトにアクセスしているかなどの情報も接続先に伝えられてしまいます。
こうした情報の流出を避けるためには、セキュリティアプリを使う方法もあります。しかしセキュリティアプリでは、接続できるWebサイトが少なくなったり、ほかのアプリとぶつかったりするという不都合が生じます。そこでおすすめするのが、スマホやPCで使える無料のVPNアプリを使う方法です。本記事では、特にAndroidでの利用に絞って説明します。
VPNとは「Virtual Private Network」の略で、インターネット上に仮想的(Virtual)な専用回線(Private Network)を構築するシステムのことを指します。このVPNを使う方法を採ることで、公的に開かれた(Public)ネットワークであるインターネット上で、専用回線(Private Network)の安全性を得られるようになります。
なぜVPNを使うことで情報のやり取りが安全になるのかということには、以下のふたつが挙げられます。
ここまでVPNについてざっくりと説明しましたが、実際にVPNがどのような役に立つのかは理解しづらいことでしょう。そこで実際にスマホやPCを利用する上で、VPNがどのようなところで役に立つのかについて、具体的な利用方法を紹介します。
YouTubeなどの動画サービスでは、著作権や暴力や性描写などの規制の違いから、コンテンツに対して国ごとに異なる規制が掛かっています。また、動画サービス自体が国内からの接続しか許可していない場合もあります。そのため、海外旅行中や、海外居住者が日本に帰国した際など、これまで楽しんでいたサービスやコンテンツが利用できないことがあります。
しかし、国内にあるVPN経由の設定でこうしたサービスに接続すれば、海外からであっても日本からのアクセスと見なされますし、逆に海外のVPNを経由する設定にすればそのVPN所在地用のサービスやコンテンツを楽しむことが可能となります。
カフェやコンビニ、街角の無料の公共Wi-Fiスポットは、スマホの通信量を抑えたりWi-Fiしか使えないデバイスを利用したりするのに非常に便利です。しかし、これらのWi-Fiの多くは暗号化されておらず、これらを利用した情報は同時接続中のほかのユーザーに丸見えの状態です。こんなところで大事なサイトにアクセスすればID、パスワードは盗まれ放題です。
しかし、スマホにVPNを設定すれば、暗号化された情報をやり取りできるので、公共Wi-Fiスポットのセキュリティの低さは問題にならなくなります。
オンラインバンキングは、お金を扱うために暗号化されていますが、それでも日々バグや仕様のミスをついてのアタックにさらされています。VPNを設定しての接続であれば、公共Wi-Fiスポットからのアクセス同様、こうしたオンラインバンキングへの攻撃にさらされる可能性を減らせます。
オンラインショッピングも、お金を扱うため多くのサイトが「https」と「s」付きで始まる暗号化されたサイトを構築しています。しかし、なかには暗号化されておらず、インターネットの中継地点でデータを簡単に解読できる状態で、クレジットカードの番号やセキュリティコードをやり取りさせるショッピングサイトもあります。
「https」を利用していないショッピングサイトは利用すべきではありませんが、どうしても利用したい場合はVPNを使うことで途中での情報漏えいの危険を減らせます。
SNSは多くの国で検閲対象になっており、特に中国では、スマホを使ってもPCを使っても、TwitterにもFacebookにもLINEにも接続できません。しかし、VPN経由の接続を設定すれば、国内にいる時と同様に、これらのSNSを利用できます。
各種旅行サイトで航空機・ホテル・レンタカーを検索すると、その情報は接続先のサイトに把握されており、次回のアクセスではそれを踏まえて旅行先の候補の指定をサポートしてくれます。しかし、ときにはこれを使って2回目以降のアクセスでは初回特典的なセールを表示しないなどの不利益を受けることもあります。
VPNを使い、ブラウザのCookieなどのトラッキング機能を抑制すれば、こうしたサイト側の過剰なトラッキングを防げます。
複数プレイヤー参加型オンラインRPG(MORPG)など、ゲームサーバーにアクセスして遠くのユーザーと一緒に遊ぶタイプのゲームは、古くなるとゲームサーバーが閉鎖されてしまい、同じネットワークに接続した相手としか遊べなくなることがあります。
しかし、VPNを設定すれば、異なるネットワークから同じVPNに接続することで、近くの友人と一緒にプレイしているかのように、こうしたゲームを利用することが可能となります。ただし、本物のゲームサーバーに比べると反応速度などに不都合が生じるのは避けられません。
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