Windowsのroute addコマンドで新しいルート追加!コマンド操作方法を解説!

route addコマンドを実行してIPアドレスを設定すれば、Windowsのルーティングテーブルに新しい通信ルートを追加することが出来ます。Windowsでのroute addコマンドの操作方法や、ネットワーク障害発生時の対処法などをまとめました。

目次

  1. 1Windowsのroute addコマンドとは?
  2. クライアントPCやサーバーなどに設定できるコマンド
  3. デフォルトゲートウェイと異なるゲートウェイのIPアドレスを取得できる
  4. 特定の宛先をルーティングテーブルに追加できる
  5. 2Windowsのroute addコマンドでルーティングテーブルを表示する方法
  6. ルーティングテーブルとは?
  7. route printコマンドを使って表示する
  8. 3【Windowsのroute addコマンドの操作方法】追加
  9. route addコマンドを使って新しいルートを追加
  10. route addコマンドの書式を解説
  11. 4【Windowsのroute addコマンドの操作方法】削除
  12. route deleteコマンドを使ってルートを削除
  13. route deleteコマンドの書式を解説
  14. 5Windowsのroute addコマンドでのルーティングテーブルの構成例
  15. 継続的な経路を追加した場合
  16. 拒否経路を追加した場合
  17. 経路を変更した場合
  18. 6Windowsのroute addコマンドで問題が発生した場合は?
  19. ルーティングテーブルの設定を確認しよう
  20. ネットワークコマンドを使って問題の原因を特定しよう
  21. サブネットマスクやゲートウェイが正しいか確認しよう
  22. 適切なメトリックかどうかを確認しよう
  23. RIPやRIP2の取り扱いが正しいかを確認しよう
  24. 7Windowsのroute addコマンドを使って操作してみよう

Windowsのroute addコマンドとは?

今やコンピュータは現代社会の情報通信をつかさどるインフラの一つです。Windows PCやスマートフォンなどのコンピュータがなければ、私たちの生活は成り立たないと言っても過言ではありません。

人間がコンピュータを効率的に操作するためには、インターフェイス(画面)の仕様が非常に重要です。コンピュータのインターフェイスは「CUI」と「GUI」に大別され、それぞれ以下の表のような特徴があります。
 

CUI
(Character User Interface)
キーボードを使って文字を打ち込みながらコンピュータを論理的に操作するコマンド入力方式のインターフェイス
GUI
(Graphical User Interface)
キーボードやマウスなどの入力機器を使ってウィンドウ・アイコン等をクリックしながらコンピュータを感覚的に操作できるインターフェイス

Windows OSはGUIを採用していますが、コマンドプロンプトを立ち上げればCUI操作も可能です。そしてWindowsのコマンドプロンプトには、GUI操作では実現できない高度なネットワーク制御を行えるメリットがあります。

Windowsのコマンドプロンプト画面は、以下の方法で表示させることが出来ます。(管理者権限で実行モード。)
 

  1. WindowsロゴキーとRキーを押す
  2. 「ファイル名を指定して実行」ダイアログに「cmd」と入力する
  3. ShiftキーとCtrlキーを押しながらEnterキーを押す

Windowsのコマンドプロンプトで実行できる操作の中に、「route add」というコマンドがあることを御存知でしょうか?

route addは、インターネットのライトユーザーなら全く使う機会のないコマンドです。しかし、別のネットワークのサーバーとの通信を確立する時など、高度なネットワーク制御を行う際には必須となる重要なコマンドでもあります。

ここでは、route addコマンドの特徴について解説していきます。

クライアントPCやサーバーなどに設定できるコマンド

route addとは、簡単にいえばネットワークを介して情報を送信する際の「経路」を追加するコマンドです。

ただし、ルータなどのネットワーク機器の設定をカスタマイズするためのコマンドではありません。クライアントPCやサーバーなどのOSにアクセスして、経路制御を直接行える強力な権限を持ったコマンドです。

デフォルトゲートウェイと異なるゲートウェイのIPアドレスを取得できる

出典: https://ascii.jp/elem/000/000/562/562311/

route addの理解を深めるために、ネットワークの仕組みについて簡単に説明しておきます。

あるコンピュータから別のコンピュータにデータを送信するためには、転送する情報を細かく分割した「パケット」を何らかのルートで伝送しなければなりません。

このルートの決め方にはいろいろな方法がありますが、特別な理由がない場合、「デフォルトゲートウェイ」を経由したデフォルトルートが選ばれます。

ちなみにデフォルトゲートウェイとは、簡単に言えば異なるネットワークへ繋ぐルータのことです。情報受信側のIPアドレス(ネットワーク上の住所のようなもの)が送信端末側と異なるネットワークに所属するものであっても、デフォルトゲートウェイのおかげでデータを届けることが可能です。

基本的にデフォルトゲートウェイのIPアドレスはWindowsによって自動的に設定されていますが、ネットワーク接続のプロパティから手動で設定することも可能です。(ただしデフォルトゲートウェイの設定を間違えると通信不能に陥るリスクがあるので要注意。)

また、コンピュータはデフォルトゲートウェイとは異なるIPアドレスのゲートウェイを指定した転送ルート情報を複数持つことができます。これを「スタティックルート(Static Route)」または「固定ルート」と呼びます。

デフォルトゲートウェイもスタティックルートの一種であり、スタティックルートの追加・変更・確認等の操作を行う際に用いられるのがroute系のコマンドというわけです。

特定の宛先をルーティングテーブルに追加できる

データを目的地まで確実に送信するためには、ネットワーク上のデータ伝送ルートをコントロールする「ルーティング(経路制御)」が欠かせません。

Windows PCやサーバはルーティング情報を格納した「ルーティングテーブル」という表データを保存しており、データ転送はこのルーティングテーブルに沿って実行されます。
 

  • デフォルトゲートウェイだけでは通信要件を満たせない
  • デフォルトゲートウェイのルータが一時的に制御不能に陥っている
  • 同時に2か所以上のネットワークに接続する必要がある

上記のようなルーティングに起因したネットワークの問題がある場合にのみ、コマンドプロンプトからroute addを実行してルーティングテーブルの調整を行うことになります。

Windowsのroute addコマンドでルーティングテーブルを表示する方法

route addはWindowsのコマンドプロンプトから実行するコマンドなので、CUIに慣れていない方は操作方法に戸惑うかもしれません。

ここでは、Windowsのコマンドプロンプトを操作してルーティングテーブルの内容を表示・確認する方法について解説していきます。

ルーティングテーブルとは?

ルーティングテーブルとは、PCやルーターなどネットワークに接続されたコンピュータに保管されているルーティング(経路制御)情報のデータベースです。データを送信する宛先への経路一覧が記録されています。
 

  • ルーティングテーブルのエントリ(情報)を参照し、パケットの宛先IPアドレスと合致するものがあれば指定ルートのネットワークインターフェイスにパケットを送信する
  • どのエントリにも合致しなければ、デフォルトゲートウェイとして指定されているルータにパケットを送信する
  • route addコマンドを実行してコンピュータのルーティングテーブルに新規ルートを追加すれば、デフォルトゲートウェイを介さない別のネットワークで情報を送信できるようになる

いわば、ルーティングテーブルはコンピュータネットワークをつかさどる「地図」のようなものだと考えれば良いでしょう。

route printコマンドを使って表示する

TCP/IP(インターネットの標準通信プロトコル)をサポートしたシステムには、必ずルーティングテーブルが存在します。ユーザーはコマンドプロンプトを使えば、いつでも好きな時にルーティングテーブルの情報を確認することが出来ます。

Windowsでルーティングテーブルを表示したい場合、コマンドプロンプトを管理者として実行し、「route print」と入力してEnterキーを押すだけでOKです。

すると、現在設定されているルーティングテーブルがコマンドプロンプト上に表示されます。

route printコマンドで表示した結果の見方

難解な専門用語が並んでいて意味が分からないという方もいることでしょう。route printコマンドを使って表示したルーティングテーブルの見方を簡単にまとめると、以下の表のようになります。
 

Interface List
(インターフェイス一覧)
データの送信に使用されるインターフェイス一覧
  • ローカルループバックインターフェイス
  • 有線LANのインターフェイス(NIC=Network Interface Card)
  • 無線LANのインターフェイス
などが表示される
Network Destination
(ネットワーク宛先)
送信先ネットワークのIPアドレス
Netmask
(ネットマスク)
送信先ネットワークのサブネットマスク(ネットワークの範囲を定義したもの)
Gateway
(ゲートウェイ)
ゲートウェイのIPアドレス
Interface
(インターフェイス)
パケットを送信するインターフェイスのIPアドレス
Metric
(メトリック)
メトリック値(同じ経路が複数ある場合、メトリック値の低いルートが優先される)

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この記事のライター
シンタロー
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