iPhone購入時に悩ましいのが、ストレージ容量です。AndroidであればmicroSDカードで容量を増やせますが、iPhoneは最初に購入したモデルの容量がすべてです。果たして買うべき容量は64GBか256GBか、お悩みのあなたにずばり正解をお教えします。
iPhoneを購入するときには、機種の選択にも悩むものの、それ以上に悩ましいのがストレージの容量の選択です。microSDカードを使うことで、内蔵ストレージの容量にあまり悩まずに済むAndroidとは異なり、ストレージを増設できないiPhoneでは、どのストレージ容量を選ぶべきかはあとあとまで尾を引く問題です。
その上、のちほどくわしく説明しますが、iPhoneのストレージは割高です。2019年4月現在で最も売れているiPhoneは¥67,800のiPhone 8 64GBですが、同じiPhone 8でも256GBだと¥84,800と¥17,000差、25%増しになります。Phone XSに至っては64GBと512GBで¥40,000差、35%増しにも達します。
それだけのお金を払ってまでストレージ容量を大きくすべきなのかというのは、iPhoneユーザーなら誰しも一度は頭をよぎったことでしょう。
後からストレージを増設できないiPhoneでは、ストレージが圧迫されると上のツイートのようにiPhoneの中身を削減する必要があります。そのため、自分が使うであろう容量よりもひとつ容量が上のiPhoneのモデルを購入するのが無難です。容量が少ないとゲームアプリも、撮る写真も、聴く音楽も、節約しなければなりません。
毎回少ないストレージの中で、ギリギリでやり繰りするのはストレスが溜まりますし、かといってデータをクラウドに逃がすと今度は転送量が増えて、ストレージをケチった分の差額が通信費で吹っ飛ぶことにもなりかねません。もしストレージをケチったことで通信費やクラウドストレージサービスへ月に¥2,000使うと、2年使えば¥48,000の違いになります。
そうであれば、必ずしも容量の小さなiPhoneモデルにこだわる必要はないと言えます。iPhoneのストレージ容量が大きければ、写真や動画もたくさん撮れますし、ゲーム好きならアプリを多くダウンロードしておけます。それに対し、少ないストレージでやり繰りしているとキャッシュが自動削除され、毎回読み込みが行われて時間と転送量が浪費されます。
快適なスマートフォンライフを送るためにiPhoneを選択しておきながら、ストレージをケチったことで不愉快な経験をするのは本末転倒です。ストレージをケチるくらいなら、その分機種を1ランク落とし、その差額でストレージを充実させるほうをおすすめします。
それでは、実際に2019年4月現在のiPhone XS Max、XS、XR、8 Plus 8、7 Plus、7の容量ごとの価格を見ていきます。
容量\モデル | iPhone XS Max |
iPhone XS | iPhone XR | iPhone 8 Plus |
iPhone 8 | iPhone 7 Plus |
iPhone 7 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
32GB | -------- | -------- | -------- | -------- | -------- | ¥64,800 | ¥50,800 |
64GB | ¥124,800 | ¥112,800 | ¥84,800 | ¥78,800 | ¥67,800 | -------- | -------- |
128GB | -------- | -------- | ¥90,800 | -------- | -------- | ¥75,800 | ¥61,800 |
256GB | ¥141,800 | ¥129,800 | ¥101,8000 | ¥95,800 | ¥84,800 | -------- | -------- |
512GB | ¥164,800 | ¥152,800 | -------- | -------- | -------- | -------- | -------- |
ただし、ストレージの大きさを優先すべきとは言うもの、iPhoneのストレージ単価はかなり高めです。その証拠に、iPhoneの256GBや512GBモデルから64GBモデルの値段を引いて、64GB当たりの単価を出すと、¥5700ほどになります。
それに対し、AmazonでmicroSDXCカードを見ると、割高な512GBの中でも高めのSamsungで¥15.000弱ですので、64GB当たり¥1,800ほど、割安な128GBなら同じSamsungで¥3,000、SanDiskなら¥2,000ほどですから、64GB当たり¥1,000〜1,500で済みます。iPhoneのストレージ単価はほぼ3〜6倍になることがわかります。
もちろん、単なるmicroSDカードとiPhoneのストレージを単純に比較するのは問題ですが、それでもiPhoneのそれがかなり割高なのは間違いありません。このことからも、どうしても必要でないのなら、iPhoneでは大容量モデルを購入したくない、というバイアスが働きがちです。しかし、先にも記したようにiPhoneではストレージを優先すべきです。
ここまでなるべく大容量のiPhoneを購入することをおすすめしましたが、それでも実際に使うかどうかもわからない容量に1〜4万円ものお金を払う気にはなかなかなれないものです。そこで、実際にiPhoneの各容量モデルにどれだけのデータが入れられるものかを説明します。
ただし、これからお伝えするのはあくまでも各容量がすべてそれで埋められたら、という数字です。実際にはiPhoneで写真しか撮らない人はいませんし、音楽だけでフルにする人もいません。おまけにiPhoneを動かすためのシステムに5〜10GB、正常な動作のためにキャッシュに1〜2GBが必要です。したがって最低限10GBは余裕を見ておかねばなりません。
以下の各メディアのサイズはあくまでも目安です。写真はHEIF形式の平均的な数値で、JPEGだと1枚当たりサイズが50%増え、撮れる量は2/3になると考えてください。動画は30秒のHEVC形式の1080pの平均的な数値で、H.264だと同様にサイズが50%増え、撮れる量は2/3になり、4Kならサイズは4倍になり撮れる量は1/4になります。
音楽はiTunesの3分30秒の256kbpsAACでの数字で、ハイレゾ音源やロスレスで取り込むと曲数は大幅に減ります。映画は2時間半の1080p HD画像の場合で、720pであれば5割増しの本数が入ります。アプリやゲームは種類によってサイズが大きく異なります。たとえばPockemon Goは673MBもありますから、下の表のゲーム3本分になります。
写真 1.6MB |
動画 40MB |
音楽 |
映画 7GB |
アプリ 100MB |
ゲーム |
|
---|---|---|---|---|---|---|
64GB | 40,000枚 | 1,600本 | 6,400曲 | 8本 | 64本 | 32本 |
128GB | 80,000枚 | 3,200本 | 12,000曲 | 16本 | 128本 | 64本 |
256GB | 160,000枚 | 6,400本 | 24,000曲 | 32本 | 256本 | 128本 |
512GB | 320,000枚 | 12,800本 | 48,000曲 | 64本 | 512本 | 256本 |
先にも記したように、iPhoneの中身をすべて写真で撮りつくすことあり得ません。
4万枚も写真撮らないから、と思ったとしても、たとえば子どもやペットのいる家庭であれば、しょっちゅう写真を撮って、ときどき動画を撮り、音楽を聴かせたり映画を見せたりし、それをSNSに上げたりするでしょう。これに10GBのシステムが入るのですから、2年使うつもりであればiPhoneの容量は64GBでは絶対に足りません。
おでかけの際に動画を大量に撮って、平均で1日動画1本、2年間撮るとすると、それだけで32GB近くのiPhoneの容量を使用します。上の表を見て「こんなに入るのなら安心だ」と思って安易に少ない容量のiPhoneを買うと後悔します。
もしあなたがすでにiPhoneユーザーであるならば、今のiPhoneの容量で足りているかどうかをまず確認してください。
32GBや64GBユーザーで問題ないのであれば、iPhone 8、XR、XSであっても同じ容量で足りるでしょう。逆に足りないのであれば、128GB(iPhone XRのみ)、256GBモデルを選んでください。256GBユーザーだけれども空き容量が大きく、64GBで十分足りている、というのであれば、iPhone 8、XR、XSでは64GBモデルを選択するべきです。
iPhoneをお持ちでなく、そうした目安がつかない場合は、以下のiPhoneの容量ごとのおすすめな使い方を参考にしてください。
2019年4月現在、iPhone8、XR、XSで最も容量の少ないモデルがこの64GBモデルです。このモデルのおすすめの使い方は以下のふたつです。
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